青Pのひとり語り

麻倉ももを中心に自分の好きを語っています。

僕と彼女の日常と非日常 麻倉もも LIVE2020 Agapanthus感想 

 

どうも青Pです。

先日のMOMO ASAKURA LIVE2020 Agapanthusに両日参加させていただきました。

 

今回はその感想をつらつらと書いていこうと思うわけです。

正直もらったものが多すぎてまとまる気がないですが、頑張って書いていこうと思います。

 

12/30まで配信があるので、是非是非

麻倉もも「LAWSON presents 麻倉もも Live 2020 "Agapanthus"」 配信ライブ&生配信アフタートーク 配信プラットフォーム追加決定! | 麻倉もも | ソニーミュージックオフィシャルサイト


麻倉もも『LAWSON presents 麻倉もも Live 2020 "Agapanthus"』ダイジェスト映像

 

行ってないよーという人はライブレポを参照に、、

natalie.mu

 

Agapanthusのアルバム感想記事も一緒によければ

hinamomosail.hatenablog.jp

 

 

 

 

 

主に曲順に書いていきます。長いと思うので、

最後だけでも読んでいただけると嬉しいです。

 

 〇ライブ本編感想

1.Agapanthus


麻倉もも 『Agapanthus』Music Video(short ver.)

 

 冒頭は手紙のパート

 

新しい生活にはもう慣れた? 桜の季節に植えたアガパンサスはすくすく育っています。つぼみの咲く頃にまたお手紙します

 

 と手紙が読み上げられていく、発声もできず、拍手のみで始まるライブの空間はまさに物語の朗読劇のような空間を作り出していた。

 

 Agapanthusのイントロから幕が開きスクリーンに蝶が舞う中、まるで絵本の世界へ引き込まれたようにライブの幕が開ける。1stライブでは物語のお姫様が飛び出してきたようなファンタジックな幕開けだったのだが、今回はスクリーンを隔てた先に薄紫のドレスに身をつつんだ麻倉ももの姿がそこにあった。この曲が本人にとっても大切な曲だったのだろう、1着その曲のためだけに用意された衣装だ。

  

 Agapanthusの物語を表現するように蝶が舞い、本のページがめくられるように歌いあげられていく。〝幻想的で美しい〟その言葉がぴったりな空間。その中で最も大好きだった演出が、麻倉ももの表情がほとんど見えないことだった。

 1stライブでは、笑顔と笑顔のキャッチボールで一緒に物語の世界をまとったような表情も麻倉もものライブの魅力だったように感じるが、Agapanthusでは演出と歌声だけで会場を魅了していた。この2年間、歌い方のニュアンスやアクセント、歌声というものにこだわって成長してきた麻倉もものアーティスト活動の集大成がライブ1曲目から見えたように感じる。

 

2.スマッシュ・ドロップ 

3.カラフル

4.トキメキ・シンパシー

 

 物語が始まると、ピンクの衣装に身に纏った麻倉ももが登場。

まるで戦隊も、、、プリキュアのようにカラフルな衣装のダンサーとともに歌い上げられた1曲目は『スマッシュ・ドロップ』

「君にもっと笑ってほしい」という歌詞は1日目グッとくるものがあり、ここでも届いた歌詞の温かさがしみてくる。

 ダンサーとともにキレの良いダンスで会場の空気を一気にライブに引き込んでいく。ここから3曲はダンスパートとなるのだが、このパートも麻倉ももの魅力の1つだろう。

 

 カラフルは事前にダンス動画をYouTubeにあげていたことのだが、しっかりみんなが踊っておりダンスの一体感がすごかった、みんなえらいなーと思ったあの空間は麻倉さんのライブならではだと思う。

 座っても楽しめるように、ダンスの振りコピをするっていうのはわかるのだが、前々から浸透してる文化ということもあって、みんなスムーズにライブに入れたのだろう。あの空気感をすぐに作れるのは、本当にいいライブだったなーと。

麻倉さんも嬉しそうにその光景を眺めていた、そんな気がしていた。


麻倉もも『カラフル』座ってできる振り付け動画

 

 ダンスで好きだったのは、トキメキ・シンパシー。元々ダンス曲になるよーって麻倉さんが言ってた通りのダンス曲。特にサビの

「どうしよう止まらないよ」

でのハート作ってから2本指でハートをつつく振りつけ。めちゃくちゃ可愛かった。

最も主人公の年齢が幼いと本人の語っていた通りで、幼い女の子が、頭の中に、目一杯いろんな言葉で感情を置き換えながら、その感情が恋だと気づく超ピュアピュアストーリー、、、、好き。 

 アルバムレビューにはこんなことを書いていたのだが、そんな恋心をここまでストレートに描いた振り付けがあっただろうか?やはりHIROMI先生は神だ。

 

 

 このゾーンは「君にもっと笑ってほしい」「ラッキーもハッピーも全部わかちあいたい」という気持ち、何よりも麻倉ももというアーティストが大切にしていた根幹から、

 「どうしようわからないよ」と感情にどんな言葉を付けたらわからなくなって、

 「これがきっと絶対恋だよ」という結論に気づくまでの物語だ。

まるで、麻倉もものアーティスト活動の変容を追っているかのように、体を揺らしながら心地よく、それでも徐々に高ぶっていく感情を抑えるのに必死だった。

 

5.〝さよなら〟聞いて。

6.Twinkle Love

 今回のライブではメイン・センター・エンドステージの3つが用いられていたのだが、そのバックステージに純白のドレスを着た麻倉ももが登場した。まるでウェディングドレスのようなデザインに見惚れるという言葉が正しい感情を抱いた。

 

 歌われたのは『〝さよなら〟聞いて。』

曲前のMCで「咲かない花はないよね」というフレーズもあって、歌うだろうということは予想できた。ただ、トキメキシンパシーの流れからも恋のワクワクの歌からと思ったが、その中で別れを歌った歌を持ってきたのには驚かされた。

もちろんMCからの流れというのも大きかっただろう。ただ過去の記事の中では、

前の彼との恋は「涙ばかりの初恋」だったものの、だからといってつらいことばかりではなかったし、幸せな時間も過ごせていたというストーリーがまずあって。その恋が終わってしまい、時間が止まったようになっていたけれど、ある日、自分のことをわかってくれる人と出会えた。そこでまた一歩踏み出すことができたという、前向きな女の子の気持ちを歌っているんです。

 ー麻倉もも「ユメシンデレラ」インタビュー 音楽ナタリーより引用

とも語っていたので、ここでは前向きな恋の曲と僕自身は解釈して聞いていた。

なお、「元カノの結婚式に参列した」と怒っている人もいた。このあたりの解釈は難しいところである。

 

 そこからの『Twinkle Love』はテーブルやソファーなどのセットの中、自宅での様子を表した演出での歌唱。ウィスパーボイスはもはや麻倉ももの代名詞的な印象を受けるが、それを全面に用いた1曲。

演出面では、テーブルの上にカメラを設置してまるでリモートでもちょと会話しているような演出に、このご時世にもピッタリはまりこれを演出した人はニヤニヤしていただろうなとと感じた。

 

 アコースティックのカントリーメロディとウィスパーボイスのささやき歌声が魅力のこのパートは耳も天国・目も天国となった。

 

 

7.ずっと君のことが好きなんです。(1日目)

7.星空を想えば(2日目)

8.さよなら観覧車(1日目)

8.花に赤い糸(2日目)

9.今すぐに

 1日目と2日目で全く違うテイストとなったこのパートは〝歌声の情感と切なさ〟 を感じるゾーンで、麻倉ももの歌声に魅了されるパートとなった。

 1日目の『ずっと君のことが好きなんです。』は1stライブの際は背景の映像と相まって、好きという感情に押しつぶされそうな女の子の勇気を出した告白を感じたが、今回はソファーでクッションのセットや前曲とのつなぎもあり、切迫するような恋心というよりはもっとラフな「どうしよう、どうしよう」と恋に恋する女の子の様相も感じられ、全く違う女の子像を歌から垣間見えることができた。

 そうして、その女の子がその感情を手紙に収める演出は、どこまでも幸せそうで見ているこちらまでニヤニヤしてしまうような、この恋の行く末にワクワクする気持ちを芽生えさせた。

 

 その後の『さよなら観覧車』は、もしかしてこの女の子は失敗してしまったのか?と失恋ストーリーを思い描いてしまったう演出だった。

『さよなら観覧車』は失恋に対してどうしていいかわからない、前へ進めないぐるぐるした女の子の心情を描いている物語だが、どこか今回のさよなら観覧車の歌声は観覧車を降りて前へ進んでいく女の子の姿が想像できた。音を丁寧に詞に当てはめながらも、その歌詞の女の子の感情を丁寧に歌い上げていく歌声は幕張の会場に収まりきらないほど響いていた。

 

  2日目は打って変わって『星空を想えば』というファンのことを想って歌った曲と『花に赤い糸』というファン人気も高い始まりの曲。その会場に足を運ぶことのできなかった人のことも想いながら、のちに配信ライブでも披露されていることも考えるとそんな想いもあったのだろうか。

 両曲とも1sライブからは大きく成長した歌声が特徴的だった。

 

 特に『花に赤い糸』はどうしても瀬戸口雛の楽曲というイメージがつきがちで、最も麻倉ももが情感を乗せる曲だった。しかし、今回はどちらかというと、その物語の主人公の感情を俯瞰的にとらえ、丁寧に歌っているイメージだった。少し余裕もあるように感じたのはそのせいだろうか。

歌いだした頃の自分の曲への想い、ファンと作ってきた時間たちという

【デビューからの想いの経過】

が最も見えるこの曲は、彼女自身ももちろんファンの想いも強い。

【デビュー時のこの曲への想い】を【初恋】と捉えると、麻倉ももに初恋をしたファンたちそんな想いたちにも寄り添ったように歌い上げられた『花に赤い糸』はまた違った彼女の魅力を引き出していた。それはまるで、当時の自分への想いへの感謝と、どこか成長した彼女が、この曲だけの想いから卒業したように感じた。

 

 物語のクライマックスは『今すぐに』、意図したものかはわからないが今回麻倉ももが『Agapanthus』のアルバムにて自ら曲のクリエイターを指定した渡辺翔の『Agapanthus』と藤田麻衣子の『今すぐに』が物語の最初と最後になったのは興味深かった。彼女自身が音楽活動に積極的になり、自らの作ってほしいと頼んだ2曲。


麻倉もも『今すぐに』Music Video (YouTube EDIT ver.)

 

直接藤田さんにお会いして、どういう曲が好きなのかとか、歌詞の方向性などをたくさん話す機会をいただけたんですけど、こんなにがっつり相談をして作ってもらったのは初めての経験だったので、私の中でも大きなことでした。ただ、大好きな方だったので、緊張して何を話したか細かく覚えていないんですけど(笑)。

声優・麻倉もも 8thシングル「僕だけに見える星」インタビュー | アニメイトタイムズより

 

 麻倉もも自身がAgapanthusというアルバムにたくさん込めてきた想いと、それを届けたい、みんなに会いたいという気持ちが乗っかりとても情感的な歌になっていた。

 花に赤い糸や星空を想えばは雛・ファンへの想いの曲たち、でもこの曲はおそらく麻倉もも自身から伝えたかった想いたちの曲だ。だからこそ、『花に赤い糸』『今すぐに』の流れは、大人の階段を上っていく女性、女の子から女性への成長を感じるほどに、美しい光景が広がっていた。

 

会えない時間に思いが募るって本当だね。今すぐにでも会いたい気持ちを我慢する夜は長いよ。本当はもっと早く会えると思っていたんだけど……でも、一生懸命がんばってることは知ってるから。同じ空の下、手紙の向こうで応援してるよ。アガパンサスのつぼみが膨らんできました。花開く頃、会いに行きます」

 

 と語っていたように、今ここに立っている観客にしっかりとメッセージの届いた1曲になっていたと感じた。ここで最後の手紙のパートへ

 

 「いよいよ待ちに待ったひさびさに会える日だね。この手紙が届く頃にはもう会えてたりして。ちょっと緊張しちゃう。ひさしぶりだからって会ったときに大声を出したり飛び跳ねたりしちゃダメだよ。きっとそのうれしそうな表情や視線でお互い伝わるから」

 

「桜の季節に植えたアガパンサスは華やいできました。花束にして会いに行くね」

 

 ここでAgapanthusのパートは過去だとということに気づいた。Agapanthusのアルバムが発売されて、そこに込めた想い(恋の歌やみんなと会いたい想い)だったりを詰め込んで、それを物語として表現した。この話は後程語ろうと思う。

 そこから、今に時は移り、麻倉もものライブが今として始まる。たくさんの想いの花束をもって。

 

10.Good Job!

 麻倉もものライブに似つかわしくないかっこいい?インストとともにライブは中盤へ。個人的にめちゃくちゃ好きなインストだった。そして、始まりを告げるGood Job!

 

 「トキメク瞬間忘れないよ 喜び 幸せ 残したいよ」

 

このフレーズがAgapanthusのパートの後だと刺さる。この曲はAgapanthusの手紙パートの本当の最終章であり、これから始まるライブの冒頭のような転換点の曲となっていた。

 

 そのパワーはとてつもないものがあり、会場のボルテージを一気に上げ雰囲気をガラリと変えた。この曲にはそういうパワーがあるから大好きである。個人的、麻倉もものアーティストシンボルソングといえばこの『Good Job!』だと思っているのだが、その曲がこの大切な位置に来てくれたことは嬉しかった。

 

 いつものように会場中にGood Job!とポーズをとり、笑顔を振る姿には、やっぱりこの人はみんなの顔を見て、ライブがしたかったのかなと思ってしまう。それは僕らも一緒で麻倉ももの笑顔があるからこそ、その曲はまた大きく輝くのだ。この特別な時間を永遠に続いてほしいと願った1stライブラストとは異なり、ここから魔法が始まるよと告げる『Good Job!』はどこか頼もしさも感じた1曲となった。 

 そのふるまう笑顔に抑えきれなかった笑顔はマスクの下からでもきっと届いたと感じた。

 

11.明日は君と。

 転換点からの1曲目はデビューシングルとなった。この並びは1stアルバム『Peachy!』と同じ並びなので心地よい。『明日は君と。』はデビューシングルが故に成長尺度の図りやすい1曲となっているのだが、〝恋の歌を歌いたい〟と麻倉ももが思うようになった今を考えると図らずしてこの楽曲がピッタリ合うというのが面白い。

 

 この曲は、2018年のMusic Rainbow05に1年の締めくくりとして最後に歌われたのがすごく印象に残っている。その際のセトリの並びはパンプキン・ミート・パイ→Good Job!→明日は君と。でPeachy!を終えた麻倉ももを象徴するようなセットリストだった。

この時、僕は『明日は君と。』の枠は『Run for you』だと勝手に思い込んでいたのだが、デビューシングルの『明日は君と。』が歌われ、どこか麻倉ももの中でこのシングルの意味合いの変化と新たなアーティスト活動のスタートを切ろうしていたのではないか?と感じていた。

その答えがうっすらではあるが、今回のAgapanthusのステージにあったと感じたのがこの1曲で鮮烈にその印象を残している。

 

 この楽曲は、疾走感あるメロディーラインとそのキュンキュンする歌詞が特徴的な〝The王道青春恋愛ソング〟。

僕の中で恋とは【追いかけ続けるもの】であり、この楽曲も当初はデビューして、右も左もわからない彼女がメロディーラインを追いかけるように歌っていたのが印象的だった。恋する女の子の感情に引っ張られるように歌い上げる姿が、本当にその場にその女の子がいるような錯覚を思わせた。

 1stライブ『Peachy!』においては、この楽曲は中盤の盛り上げ曲で、恋する女の子の姿と、その恋を応援する僕たちの構図があり

  麻倉ももの1stライブの門出=初恋をした女の子

 その恋をみんなで背中を押して成就させる、そしてその恋の高まりを共有する。そんな感覚があった。

 

 しかし、今回のAgapanthusでは観客は声を出せず、麻倉もものみのステージ空間があった影響もあったこと、何より以前より余裕が生まれたことでより繊細で細やかな心情表現の『明日は君と。』がそこにあったように感じた。

 

 これまでメロディーラインやファンに引っ張られるように走り歌っていた彼女が、『明日は君と。』という恋の歌に対して、自分のアプローチで表現した姿があった気がしている。これは上手く言葉にできないことなのだが、主人公の要素は残しつつもより俯瞰的に物語を語り、自らがその主人公の女の子を引っ張って魅力的にしていく、その歌声がファンの想いそのものも引っ張っていくような、そんなパワーがあった。

 

12.秘密のアフレイド 

 かっこいい枠として、取り入れた1曲。『明日は君と。』がギターがメインの楽曲であるが、意外とギターがメインの楽曲は少なかったので、この楽曲がライブのセットリストとして良いピースとしてハマっていた。疾走感を消すことなく、ちょっと成長した女の子の恋模様が描かれ、麻倉ももの成長をより引き立てる1曲となっている。

 ファンのかっこいい曲を歌ってほしいという意見を取り入れたこの曲はライブでは十分すぎる魅力を放っていた。このファンの意見とのすり合わせが麻倉ももの魅力の1つでもある。

麻倉 とにかくライブに来てくれたファンの方たちに楽しんでもらいたいんです。ライブはもちろん、曲を作るときも、どうすればファンの方たちが喜んでくれるのかつねに考えていて。私が表現したいものとのバランスを考えながら、新曲を作っています。

 今回のシングルにおいて、このバランスを最もとれた1曲がこの曲だろう。

実際にライブでの盛り上がり、個人的にもめちゃくちゃ楽しかった。麻倉もも個人としては大人の恋をテーマに描いているそうだが、個人的には新入社員や大学生が、少し大人の年上男子に恋をするがなかなか相手にしてもらえない構図を妄想しているのだが、その解釈の違いは少女漫画ならではとしておこう。

 表現としてはまだまだ伸びていく楽曲であると感じたので、今後どのように歌われていくか楽しみだ。

 

13.Shake it up!

 MCのクラップタイムから始まり、ダンス振り付け講座から始まった1曲。

アルバム発表当時から仲の良い友人と、この楽曲はライブでめちゃくちゃ化けるから楽しみと語っていたが、まさにそう通りとなった。

 そのパワーを生み出したのは【振り付け】だ。

TrySailといえば振り付け師のHIROMI先生の振り付けをみんなが振りコピして楽しむ層が一定層いるのだが、麻倉もものライブではそれがより顕著になる。今回もその振り付けのパワーが会場中の一体感を生み出した。それは声が出せないライブだからこそよりパワーを発揮していて、2日目のこの曲の後には、着座ライブにもかかわらず、天井に靄ができていた、振り付けの力は偉大だ。

 実際この曲が、声出しありのジャンプありになった時どうなるのか、今からワクワクが止まらない。

会えない日々埋めるように 同じメロディーなぞったら 心と心ほらひとつになれる ドキドキしちゃう 嬉しい?楽しい? 聞かせてもっと

 

今夜君の笑顔の居場所になるよ

 まるで、この空間を象徴したような歌詞と、みんなと空間を楽しむ麻倉ももの姿に、楽しい曲ながらにジーンとしてしまう自分がいた。 

 

14.トクベツいちばん

15.妄想メルヘンガール

16.Fanfare!!

  ファンと作るライブ、それは麻倉もものライブの最大にして最高の魅力だと思っている。作り方としては、ファンの声援や振り付けによる一体感、麻倉ももの曲をみんなで楽しむ時間だ。

 声がない中で、手紙・振り付け・手拍子・そして何よりも歌声。

 様々な方法が、武器が、麻倉もものライブにはあった。それが象徴されるようなライブのクライマックスは本当に夢見心地で、魔法がかかったような時間になった。この3曲は声の出ないこの状況だからこそ、あえてコールの多い3曲を選んだのではないかと感じざるを得なかった。

 

 妄想メルヘンガールは事前にファンの声援を募集してそれを音源にして流すという手法をとった。お世辞にも、心地よいコールということもなく

もちょ自身も「野郎の声だけじゃなくてよかった」

という始末である。まぁこれはこれで新しい試みですごく楽しかったし、何よりファンの声を必ずライブに入れたいという麻倉さんの想いが叶ったことが嬉しかった。


麻倉もも「妄想メルヘンガール」をみんなで歌おう!企画レクチャー動画

 

 『Fanfare!!』前回ライブのPeachy!でとんでもないライブ空間を作り上げたMOMO曲である。ファンの声と振り付けとともに作る空間を体現したような曲も、今回はファンの声援はなし。しかしながらこれまで作ってきたライブの空気からまるで声がでているかのような盛り上がりを見せていた。個人的に、この幕張メッセイベントホールのセンターステージでこの曲を歌う麻倉ももをずっと見たかったのだが、それが叶ったことが嬉しかった。

 みんなが言いたくても出せなかった大好きの光景は、いつかまた会おうねの約束の言葉にも見えた。〝次は大好き〟って言おうね、そっと告白する女の子の背中を押すように歌あげた『Fanfare!!』1stライブとは少し違う恋のカタチがそこにはあった。

 

 

17.僕だけに見える星

  ライブ本編最後を飾る新曲。みんなに寄り添うような曲にしたかったと語った曲は

今回は“恋する女の子”という主人公を立てずに、みんなが共感できるような曲にしたくて。なので、こんなに自分をぼかして歌ったのは初めてだったんですけど、これも1つの挑戦なのかなと思いました。

 これまで恋の物語の主人公として物語を見せてくれた麻倉ももが、みんなに物語を見せるように、想像できるように作った曲。

ファンタジーの世界を表現してきた中で、より日常的アプローチをした新しい麻倉ももの曲の形。僕はその歌声が大好きで、耳から聞こえてくるの声と歌詞に耳を澄ませながら聞いていた。

 この曲は曲の中に聞いている人の感情の置き所がある曲だ。だからこそ、それぞれの想いが輝いていてその星々を麻倉ももという大きな空が包み込んでくれる。

大きな空のように、幕張の大きな会場に広がっていく歌声は、2年間かけて麻倉ももが歌声というものに、楽曲に真摯に向き合ってきた成長の軌跡を流れ星のように綺麗に描いていた。

 

 ふと僕にとっての僕だけに見える星は何だろうと、ライブで聞いたときそれは僕自身だなと思った。

 

麻倉ももを好きになって、僕自身が彼女のために紡いできた言葉たちや、想い、フラスタという形、友人たち。その1つ1つは僕が麻倉ももを好きになって僕自身が生み出した星たちだ。僕が紡いで、繋いできた想いたちはまさに『僕だけにしか見えない星』だった。僕の中の日常の想いや好きの感情のキラキラを彼女の歌声が輝かせてくれて、認めてくれた気がした。

 

 そんな気持ちを芽生えさせてくれた歌は、確実に会場中にいる人たちに届いて、それぞれの星を見せていただろう。

 

En1. パンプキン・ミート・パイ(1日目)

En2. ユメシンデレラ

 1stライブ始まりの曲、僕の最も好きな曲がアンコール1曲目で流れた。

魔法の時間はまだ続くよとメロディーが流れていき、会場中が同じ振り付けで一体感が生まれていた。1stライブでは徐々に増えていったサビの振り付けは1日目の最初から揃っていて、その一体感は圧巻の一言だったと感じた。

 型にはまらないシンデレラストーリー、どこか麻倉ももとは違う主人公像がこの曲の魅力だ。恋の魔法で、今のアーティスト像を作っていった麻倉もも。その原点ともいえるこの曲は改めて大好きな曲だと感じさせてくれた。恋する女の子は幸せで、その魔法にかかってしまえば盲目に走ることができる。そんな恋の魔法はいつまでも解けないほしいと願うように、非日常のシンデレラストーリーから、日常のシンデレラストーリーへと楽曲は移り変わっていく。

 

 『ユメシンデレラ』午前0時を超えてシンデレラの魔法が解けた世界。少し成長した女の子は迷いながら今という日常を生きている。非日常と日常のギャップに悩むうな女の子とそれに語り掛けるような歌声。僕は歌声という点ではこのユメシンデレラという楽曲が大好きだ。

 

私は、いつもはその歌の主人公になりきって歌うことが多いんですけど、「ユメシンデレラ」は第三者目線で歌ったというか。さっきも言ったように作中でみんなが荒ぶっているので、私は一歩引いて。もう高校生ではない私が、つまり現在の麻倉ももが、思春期真っ只中の彼女たちに対して「あっという間の夢を大切にして」と語りかけるような歌にしたかったんです。なので、普段よりフラットな気持ちで歌いましたね。   ー麻倉もも「ユメシンデレラ」インタビュー音楽ナタリーより

 

あっという間の夢を大切にして」「そうだよ楽しもう今の私を」まさにその光景が目の前にあった。CDでは思春期の彼女に歌っていた歌が、今目の前に麻倉もも自分自身に歌う歌になっていた。そこには、苦手だった歌を・はじめはどうしていいかわからなかったライブを、音楽を、ライブを楽しむ彼女の姿があった。とても幸せそうな笑顔で、「そうだよ楽しもう今の私を」と歌う彼女の姿に、僕は微笑みが生まれた。

 

 それは僕がずっとずっと見たかった光景だったからだ。麻倉もも自身が歌を歌って楽しむ姿。自分の歌を好きになって、みんなにも楽しんでもらっている姿。そんな姿が嬉しかった。ただただ嬉しかった。

 パンプキン・ミート・パイでは物語のヒロインを演じた麻倉ももが、ユメシンデレラでは俯瞰的なメロディの歌を歌う、ただその中で楽曲の共通ワードとしてシンデレラというワードがある。

 

 それが麻倉もものアーティストの楽曲としての魅力だと思うのだが、この2つの物語はシンデレラがちゃんとシンデレラしてないところが面白い。だからこそ、この2曲って麻倉もものオリジナルのシンデレラストーリーとしてはまりやすくて、アンコールという物語のあとがきにふさわしいなと感じた。メロディに体を揺らしながら、そこには間違いなく麻倉ももの物語があった。そう感じざるを得ない、非日常から日常へ少しずつ見えていく光景があった。

 

EN3. 365×LOVE

「私が何やりたいかどういうものが伝えたいのか分かり始めた曲です。この曲が私のスタートだという思いを込めて、アルバムの1曲目に入れました。今日はここからが始まり、ここから続いていくという気持ちで、笑顔で皆さんに届けたいなと思います」         ーAgapanthuライブレポートより

 麻倉ももの恋のテーマソング、この曲から始まり、Agapanthusの花は開いた。

私の中では、ある日その人のことを好きになって、そこから365日がんばって自分を磨いて、好きになったのと同じ日に告白するというストーリーなんです。「ホントにそんな健気な子いる?」みたいな話なんですけど(笑)。

 麻倉もも「365×LOVE」インタビュー 音楽ナタリーより引用

 

 恋にまっすぐなこの女の子から、麻倉ももの恋の物語が始まったと思うと、ある意味この女の子の存在が麻倉ももの背中を押しているのかなとも考えてしまう。どこまでもまっすぐなこの女の子の物語が、麻倉ももの世界とリンクした瞬間があった。

またこれから始まる365日、この曲に込められた想いを想像すると、グッとくる。ライブ本編で麻倉ももが物語を語り、こんな楽しい世界がありますよと見せてくれた中で、このアンコールは麻倉ももの世界そのものだった。

 

 真面目で、音を外さずに歌う麻倉ももが「絶対、絶対」の歌詞の部分で音を外して歌って見せたのは、彼女自身が今音楽を届けていて楽しいって思える瞬間だったと思っている。だからこそ僕自身もすごく嬉しかった、やっぱりこの人のことが好きだなと思える瞬間だった。

 

 このライブは麻倉さんがやりたかったAgapanthusの形とは違うかもしれない。それでも、このライブに込めた想いは恋する女の子の365日のようにキラキラしていて、とても楽しい形になった。

 最後のMCで彼女が言った言葉が「また、会おうね」だった。その言葉が本当に嬉しくて、また明日からの未来を歩いてく、笑顔になっていく、そんな確信を持つことができた。募ってきた、紡いできた想いは必ず花が開く。僕は麻倉ももからその大切なことを教えてもらっている。

 

  この曲から、また新たなスタートが始まる。ある意味スタートラインにたったといい麻倉ももの集大成であり、スタートラインのライブとなったAgapanthus。

 一緒に歩んでいたと思っていた、そう思っていた女の子は今目の前で走りだしていった。

 

 僕にとってこれからも大切なライブであり続けるとそう確信した瞬間だった。

 

 

〇ライブの総括

 ここからは個人的な解釈の話。

 

 ライブ全体としては誰が見ても麻倉もものライブとはこういうものですよということがわかるライブだったなと感じた。

 

 Agapanthusの手紙のパートはアルバムとアーティストの根幹である〝恋〟というテーマを軸に組んだセトリ。

 『Good Job!』という転換点からは、麻倉ももらしいファンと楽しんで空間を作っていくライブ。これが本当に明確にでていたので、ライブを見る側としても入りやすかったという感じで、初めてきたファンの方も楽しめたのではないだろうか。  

 

 前半のパートについては【Agapanthusの物語】と【1人の女性の物語】という2つの側面から物語を楽しめた。それはAgapanthusというアルバム自体が1曲1曲の女の子を主人公としてたくさんの恋物語を集めた短編集だと僕は解釈していることが大きい。

 もう1つは、映像パートからあったように1人の女性が会えない時間に手紙を書きながら会えるまでの感情の変容を描いている要素。ここから1人の女の子の物語としても解釈できる。この2つの考えをまとめると、Agapanthusの物語としては、様々な女の子の恋の物語だが、その恋を表現しているのは麻倉ももという物語の語り手なので、麻倉ももの物語としても楽しめる。これがこのライブの前半パートのおもしろい要素だなと感じた。

 

 最初の『スマッシュ・ドロップ』~『トキメキシンパシー』は年齢からも幼めで、みんなと楽しむ曲たちから恋という感情に気づくまでの女の子の物語。この要素はアルバムの中でも感じられたのでよかった、またこのみんなと作っていった曲たちから恋愛の曲が好きだと気づくという変容は、麻倉もものアーティスト遍歴ともダブル要素である。

 

 そこから『さよなら聞いて~今すぐに』は恋を知ってから様々な恋を得ていく女性の物語。白い花嫁衣裳のバージンロードがまさにその演出を際立てていて。

*1 

 

この言葉を借りるならば、歩いてきた道は過去の道(これまでの曲たち)。

 

 1日目は主にPeachy!とAgapanthusのアルバムの恋愛曲たちで構成されていて、1人の女の子=麻倉ももというアーティストが様々な恋愛の物語を経験していく過程、Agapanthusという曲から始まる短編集というのが綺麗に当てはまります。この物語は麻倉もも自身の物語として仮定しやすい。

 逆に2日目は恋愛要素もありつつ、会えないさみしさとファンとのつながりを意識して「花に赤い糸」や「星空を想えば」「No distance」を入れたのかなと感じた。これもまた、麻倉もものアーティストの物語の中で重要なファンのことを考えた曲たちの遍歴をなぞっているような気持ちになった。

 あと、手紙っていうのも良い、手紙って今の気持ちを残したり、過去のことを書いたり、未来のことを書いたりできるし。読むタイミングによっても過去・現在・未来のすべての側面から言葉を感じることができるので。より、この言葉がしっくりきたかなーと。

 

 

 みんなと作る、楽しむ音楽→恋への気づき→様々な恋の経験→会えない時間のさみしさのセットリスト、何よりAgapanthusというアルバムは麻倉ももの集大成のアルバムで4月に発売したものなので、この物語たちはすべて過去の物語となる。

Agapanthusで始まり、Agapanthusで完結する物語はアルバムの中の物語でしかない。

それでも、ライブで披露されたAgapanthusの世界はとてもアルバムの世界観を大切にされていた。僕はアルバムレビューの中でこんなことを書いていた。

これは麻倉ももの活動の歩み方だと思っていて、この1年間ずっと自分に正直に恋と向き合ってきた。そして、アルバム制作でも、1つ1つの作詞や曲も、ファンのことも考えながら向き合ってきた。種を巻いた先に、つぼみは実っていった。それだけでもすごくきれいなものだったんですよ。

 でもね、Agapanthusという曲に出会い、恋は愛へと変わった。結びつくことで花が開いた。

 これが大事で、満たされたことで花が開いたんです。それも1輪ではなく一気に花が開いた。満開の花束がこのアルバムだって思うんですよ。1年間の集大成が詰まってるからより花がきれいに咲くんだと思います。もちょが大切にしてきた1年がこのアルバムにはいっぱい詰まってるんです。アルバムを開けたときにね、いっぱい花が詰まってたんだって思うとね、泣きそうな気持ちになりました。

 だってそんな光景は、僕の中での麻倉ももという人そのものなんです。

麻倉もも『Agapanthus』全曲レビュー 麻倉ももの恋と愛より

 

  

 僕が勝手に妄想したアルバムの世界は、どこか不思議なリンクを起こしてライブの光景として目に映った。僕のフィルターを挟んだものでしかないその光景だったけど、ちゃんとAgapanthusの花は開いて、物語は飛び出す絵本のように美しい世界を描いていた。それが嬉しかったなーと。

 もちろんそれは、幕間映像から感じることになるんですけど、麻倉もものアーティスト活動ともリンクするような描写がそんな想いを想起させてくれました。そこから未来へ、みんなと前へ進んでいく曲たちへのつなぎが『Good Job!』だったのかなと。

 そして『Good Job!』から今の麻倉もものライブが始まる。

 披露宴のお色直しのように鮮やかな赤のドレスに着替えた麻倉もも

 これからが始まるんだって思うとね、すごく嬉しかったですね。

 

 『Agapanthus』の恋の物語から1つ1つ想いの花を受け取って、ギュッと詰まったその花束の幸せや実った想いをブーケトスのようにみんなに投げた曲が『Good Job!』 僕にはそんな光景に見えました。それはみんなに恋の幸せを広げた瞬間なのかな。そして、そこから花に向けていた僕たちの目線を空へと広げてくれる。前を向いて、空を向いてみんなを笑顔にさせてくれる彼女の姿があった。

 

 花を受け取ったみんなの笑顔が咲いて、満開の花畑になっていくような空間がそこに広がっていた。 語るまでもなく、麻倉ももの空間。

 

 1stライブ『Peachy!』はまるで麻倉ももという空間が作られたような、1人の物語のヒロインの恋路を見守るようなライブだった。そこに読者である観客のトキメキが伝わってそこには1つの魔法の空間が出来上がっていた。意図していなかったこと 

1stシングルが恋の歌だったというのもあるんですけど、小さい頃から私は少女マンガが大好きなんですよ。その少女マンガ的な恋の物語を、自分の歌として届けることが楽しいんだとあるとき気付いて、プロデューサーさんに「私、恋の歌が歌いたいです」って自分から言いました。

  前回は意図して出来上がった空間だと思っている。ただ、今回はしっかり麻倉ももが発信して自らの物語を作って、それを歌い上げて空間が出来上がっていた。それがすごいことだなと。これが麻倉ももですよーっと自らの歌で表現した。このライブに置いて、やっぱりみんなに一番想いを届けたものは歌だった。

 それは間違いなく、麻倉ももというアーティストが最も意識し、努力してきたものだからこそ胸をはってその言葉を伝えたい。

 

 そして、今回変化を感じたのはMC。

いつも、妖刀アサクラと呼ばれるほど、切れ味の良い彼女がいつも以上に毒を吐いて切っていた。まぁこうもようしゃなく、そして距離が近い、ため口のような口調でおしゃべりをするように話していく。そんな距離感もまた最初のうちは上手くいかなかったものだ。ほんとはもっとみんなの顔が見れるところで話したいのだろうが、また小さな箱でライブの話などたくさんしてくれると嬉しい。

 楽しそうに話す姿と、ライブの要所要所では大切な言葉を伝えてくれていた。それがまたしても僕は嬉しかったのかもしれない。

 

 何度も繰り返すが、このライブは声のだせないライブだった。

その中で、麻倉ももは自身の歌・MC・振り付け・表情様々な武器をつかって麻倉もものライブを作り上げた。1stライブではみんなと作った麻倉ももという空間を、物語を、彼女自身の物語として、語り、歌い、そして表現してみせた。

 僕にはそう見えた。偉そうに聞こえるかもしれない。でも、1stライブはきっとファンと一緒じゃないと作れない空間だったと思う。でも、そこで吸収していったものを還元し、麻倉ももというアーティストはたった2年で自分自身のステージを作り上げた。

 

 そして物語の結びの『僕だけに見える星』

「ここからがスタートライン」と語った『365×LOVE』

Agapanthusのライブとして歌を歌いつつ、アーティストととしての1つの形を表現した上で、なおかつ彼女は次のステージへ、次の空へと歩き、いや走り出した。これはもしかしたら延期したからこそできた空間もしれない。

 ゆっくりゆっくりと自分探しをしてきた彼女は、ようやく自分の彩を見つけ出し、大きな一歩を踏み出した。そんなライブだったと思う。

 これからもっともっと、素敵な空が広がっていく、そう期待せずにはいられない自分がいた。

 

 

麻倉ももの非日常と日常

 麻倉ももにとってアーティスト活動のスタートは予期せぬものだった。

ソロデビューを伝えられ、最初は実感のないままに進んだアーティスト活動、自分の方向性もわからず、不安が強かった。言い換えると麻倉ももにとっては非日常的なものがアーティスト活動だったのかもしれない。

 

 そこから、1stライブを得て「これだけやったらこれだけ返ってくるんだ」という実感「そういう場所がある」ということに気づいたことでやりがいが生まれ、自分の方向性に気づきだして、自分のやりたいことを詰めた集大成のアルバム『Agapanthus』に至り、このライブで自分自身のステージを作り出した。そこに僕は非日常から日常への変化を感じた。

 

 最初のアーティスト活動はふわふわしていて、それでいて少女マンガの世界観だったり、みんなからみた麻倉ももだったりを演じてきた。まるで役を与えられた声優のように彼女の歌はふわふわした要素を持っている。

 それ自身が麻倉ももの魅力の1つでもあると思う。ただ、その中で、確実に変化してきたのは彼女がやりたいことを音楽に詰め込もうとしたことだ。それはふわふわしたものではなく、確かに彼女の強い意志が乗っている。だからこそ、『365×LOVE』以降の麻倉ももの楽曲には、そんな強い意志を感じる。

 

 恋愛曲をしたいから恋愛曲を詰め込んだ、その中でのろけてみたり、失恋を歌ったりと日常の中で感じた1つ1つの感情が、楽曲には乗っているのだ。特に『僕だけに見える星』はまさにそうで、世の中の情勢を考えたうえで、彼女なりの楽曲を届けた。そこには確かに麻倉ももの日常の感情が入っている。

 

 しかしその中で、麻倉ももの楽曲の共通点としてあるのは、そこには主人公像があっても麻倉ももは主語にならないということだ。

 

主人公の女性像を思い浮かべて、完全にその子になりきって。今言ったように歌詞の内容に自分とリンクする部分もあるんですけど、やっぱり自分の物語としてではなく、あくまでその子の物語として歌いました。これはすべての曲に言えることなんですけど、「共感できるなあ」とか「私と似てるなあ」と思うことはあっても、自分に引き寄せて歌うことはあんまりないんですよね。

      ー音楽ナタリーインタビュー『僕だけに見える星』より

 

 だからこそ、日常が見える楽曲でも、非日常の空間が広がっていることが多い。

しかし、非日常があるからこそ僕たちは楽曲の世界の魅了されるに他ならない。自己の感情をぶつける楽曲は時に諸刃の剣で、相手のその価値観のみを植え付けてしまう危険性があるからだ。

 

 非日常の楽曲だからこそ、感情を置くことができるというのは、麻倉もも自身にも言えることで、その歌を歌っている彼女自身もその曲に、自分のその時の感情を置くことができる。今回のライブでのアンコール曲『ユメシンデレラ』『365×LOVE』はまさにその代表格で、歌詞の中のフレーズフレーズに麻倉ももの今の感情が乗っていたと感じている。

 

 僕だけに見える星の超A&G+にて音楽評論家の冨田明宏さんがラジオにて

 

 【麻倉ももは限りなく非日常的日常のファンタジーを体現するアーティスト】

 

 と表現しているが、その言葉の通りで、まるで僕たちは麻倉ももという語り手であり、ヒロインのもちょの日常に飛び込んで楽しんでいる。それが麻倉ももの楽曲だ。

 

 恋、少女マンガという限りなく日常に近いのに非日常的な楽曲を歌っているのにそれを歌っているのが麻倉ももだからこそ説得力をもつことができる。それができる一因は、麻倉ももの中にない非日常的な楽曲の物語の中に、麻倉ももとしての日常が確かにあって、彼女の日常の感情の一端を非日常的な世界の物語として表現できるようになったのだと僕は感じている。同じテイストを歌いつつも楽曲に変化を感じるのはこの要因が大きい。

 だからこそ、魔法のような時間が、麻倉ももの空間になった1stライブから、限りなく麻倉ももの日常がにじみ出る2ndライブへとステップアップし、彼女の歌に大きな成長をもたらした。そして、『僕だけに見える星』というみんなの中の日常の感情に、本当の意味で共感できる楽曲が歌えるようになった。

 

こういう歌声が自分の武器なんだったら、それを活かして歌うのも楽しいなって気付いたり

音楽の知識がないなりに一生懸命その都度考えて、ちゃんと向き合って作ってきたので、そういう向かい方も全然最初と違うなーと思います。

                    ーVOICE BRODY Vol9より引用

 

 最初は非日常だった、歌と音楽が、麻倉ももの日常になって、そして好きになっていく。それが僕が彼女に願い続けた祈りだった。音楽は楽しい、ステージで歌うことは楽しい。そして何よりも麻倉ももの歌声が誰よりも好きな自信があるから、彼女自身にも麻倉ももの歌声を好きでいてほしい。僕の日常の中で、なくてはならない音楽と麻倉ももの歌が、彼女にとっても日常の大切な、大好きで楽しいものであってほしい。

 勝手な願いが、自己完結の願いがなんか届いたような気がして嬉しかったんだと思う。それは勝手に思ってもいいんじゃないかって自惚れている。

 

 

 最後に「自分探しの旅」について話してしめようと思う。 

 

──サビの「“私らしさ” ずっと探していた」とか。

私自身もまさに現在進行形で探しています(笑)。自分のことは自分が一番わからないので。あと、私もこの曲の主人公みたいに勝手に1人で落ち込んで、「まあいいや、明日明日」と勝手に1人で立ち直るタイプというか。あまり人に相談せずに、自己完結しちゃうことが多いんです。

       ー音楽ナタリー「僕だけに見える星」インタビューより

 私らしさって常に変わっていくものかもしれないし、明確な答えがあるかもわからないにで、人間にとっては永遠のテーマかもって最近は思っているんです。

                  ー声優アニメディア12月号より

  

 彼女は常に大きく先を見ることはなく、1日1日、1曲1曲、常にその瞬間を正直に歩いている人だと思う。そして、麻倉ももは楽曲を考えながらも考えすぎずに、こういう物語があるんだって納得し、嚙み砕いて歌うことができるアーティストだ。

 だからこそ、毎日の日常の中で聞く麻倉ももの音楽は、その時の感情によって様々な彩りを与えてくれる。これからも彼女の自分探しの旅と日常の中での非日常的な音楽に触れながら、僕自身も自分の旅を続けて生きたい。彼女が楽曲に僕たちの居場所を与えてくれる限り。

 

 【彼女のノンフィクションの物語を、自分のフィクションとして楽しみたい。】

 

  これは2年半前に僕が麻倉ももについて書いた文の一節だ。

 

 どこまでも、僕は麻倉ももというアーティストが語るフィクションの物語が大好きだった。そしてその中から少しずつにじみ出るノンフィクションの物語が大好きだ。

 ただ、こうやって文字を書くこと、ライブに行くこと、音楽を聴く僕の日常の中で、そこには僕のノンフィクションの物語があると少しずつこの考えは変化していった。

 

 それは麻倉ももという人を通して、僕自身が様々なノンフィクションの物語を歩いてきたに他ならない。そして、また明日からも一緒に歩いていきたい、そして走り出した彼女の隣にいたい。僕はどこまでも、彼女の笑顔を見届けたい。

 だから、またこうやって限りなくフィクションな青Pのノンフィクションの1人語りを書き綴るだろう。手紙で、言葉で、フラスタで彼女が歌を楽しいと思えたように、僕自身も麻倉ももの音楽に出会ったたくさんの好きの感情を伝えたい。

 

 僕の日常があって、彼女の日常がある。決して交わることのない日常

 それを繋いでくれる麻倉もものフィクションの楽曲の物語たち。

 やっぱりこの関係性が大好きだ。そして麻倉ももが大好きだ。

 

 僕が麻倉ももを好きになって、彼女を好きになってからずっとずっと変わらず言い続けてくれている言葉がある。

 

「笑顔で」

 

 今回のライブでも「笑顔で届けたい」「笑顔でまた会いましょう」と話してくれた。だからまた、僕も笑顔で会いに行きたい。そこだけが唯一、僕と彼女の日常が重なる瞬間だと思うから。今度こそしっかり笑顔を届けたいなーあと言葉でも、

 

 最後に1つ、とにかくお花を贈りたい。

 だってお花を贈らないと僕のAgapanthusの物語は完結しないから。

 めちゃくちゃいいお花ができると確信していたからこそ、ライブを見てますます贈れなかったことを悔やんだ。もちろんしょうがないことなので、また次の機会までまつしかないのだが。

 

 とにかくお花を贈る日常が帰ってきてほしいと願っている。

 

 長くなってしまった。今度は自分語りをちゃんとしよう。

 お付き合いいただきありがとうございました。楽しかったー

 

 

                                    青P

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:バージンロードは花嫁の人生(過去・現在・未来)を表しているといわれます。扉から祭壇まではいままでの人生。一歩一歩踏み締めながら過去の出来事に思いを巡らせましょう。

 そして、彼との愛を誓う現在へ。セレモニー後、退場のためにふたりで後ろを振り向けば、扉の向こうには明るい未来が開けています